読書履歴 日本の未来について話そう -日本再生への提言-

2011年大震災後に日本が復活する為の提言として65人の有識者・事業化のコメントをまとめた内容。約10年前だが(現代のポストコロナを見据えた時代背景も含め)内容は今にも非常に共通する部分を感じ、本書で語られている通りには「変革」が進んでいないのだと感じる。

 

<日本の衰退原因>

・内向き志向(80年代貿易摩擦の反動、90年代バブル以降の不景気による)
・国内市場が中途半端に大きいことによる国際化の遅れ
・緩やかな衰退に対する受容(変革が大事ということは社会でも会社でも耳が痛いほど言われ続けている。だが実際はほとんどの人が納得していない、変化を受け入れリスクを取りたくない?組織を本当の意味で変革させるためには何が必要か)→ストーリーで語れるリーダーの育成、"ワーストシナリオ"の明示化や負のインセンティブ、他には?

 

<施策・提言として挙げられていた内容>

・グローバルとダイバーシティ

とにかく世界に出る、海外人材を(移民も含めて)獲得する、女性の社会進出を各方面で支援する。それにより社会と会社で真の意味でのダイバーシティを実現する。
・日本の強みである改善、オペレーションエクセレンスを追求する
・アジアとの関わり:

一つ目と重なるが、成長するアジアでの柱を志向すべきという話。ロンドン、ニューヨークは各国から人材を吸収し魅力あふれたグローバル都市になっている。日本は地理的・文化的に近いアジア諸国で同様の"人材の行き先"作りを目指したい。東京をシンガポールと並ぶアジアの国際都市とし、中国にはない自由な多様性、環境を作り出しアジアにおける国際的な軸・柱となる。

その為には?という発想に繋がる。

 

<登場する65人>

企業経営者は大体自社のアピールが多い(ダイバーシティや育成体制、マインドの自慢)。資生堂はやはり面白く、前述アジアの〜を目指す上で参考になる。

ピコ・アイヤー Pico Iyer(作家)
ゴビンダ・アバサラーラ Govinda Avasarala(ブルッキングス研究所 アシスタント・リサーチャー)、
ベルナール・アルノー Bernard Arnault(LVMH 会長兼最高経営責任者(CEO))
稲船敬二 Keiji Inafune(comcept 代表取締役
岩崎夏海 Natsumi Iwasaki(作家)
岩谷直幸 Naoyuki Iwatani(マッキンゼー・アンド・カンパニー パートナー)
ティーブ・ヴァンアンデル Steve Van Andel(えアムウェイ・コーポレーション 会長、アルティコア社 会長)
エズラ・F・ヴォーゲル Ezra F. Vogel(ハーバード大学 社会学名誉教授)
チャールズ・エビンジャー Charles K. Ebinger(ブルッキングス研究所 シニア・フェロー)
ビル・エモット Bill Emmott(国際情勢専門フリーライターコンサルタント、『エコノミスト』 前編集長)
岡田武史 Takeshi Okada(サッカー日本代表 前監督)ドイツに行ったの知らなかった
岡田元也 Motoya Okada(イオン 取締役兼代表執行役社長)タイトルが「若者に席を譲ろう」であるが本人はまだ席にいる(会長だけど)
エザード・オーバービーク Edzard J. C. Overbeek(シスコシステムズ アジア・パシフィック・アンド・ジャパン プレジデント)
ゴードン・オール Gordon Orr(マッキンゼー・アンド・カンパニー アジア会長)
マイケル・グリーン Michael J. Green(ジョージタウン大学 准教授、戦略国際問題研究所CSIS) 上級顧問兼日本部長)
クリストファー・グレイヴス Christopher Graves(オグルヴィパブリック・リレーションズ・ワールドワイド グローバル最高経営責任者(CEO))
ピーター・ケネバン Peter Kenevan(マッキンゼー・アンド・カンパニー パートナー)
セナパティ・ゴパラクリシュナン Senapathy Gopalkrishnan(インフォシス・テクノロジーズ 社長兼最高経営責任者(CEO))
小室淑恵 Yoshie Komuro(ワーク・ライフバランス 代表取締役
カルロス・ゴーン Carlos Ghosn(ルノー 取締役会長兼最高経営責任者(CEO)、日産自動車 社長兼CEO)あんなことになってしまったがやはり切れ味は鋭い
坂根正弘 Masahiro Sakane(コマツ 取締役会長)
佐々木かをり Kaori Sasaki(イー・ウーマン 代表取締役社長、ユニカルインターナショナル 代表取締役
デビッド・サンガー David E. Sanger(『ニューヨーク・タイムズ』ワシントン主任特派員)
マーサ・シェリル Martha Sherrill(小説家)
柴田拓美 Takumi Shibata(野村ホールディングス 取締役 執行役副社長兼COO、ホールセール部門チェアマン兼CEO)
ハワード・シュルツ Howard Schultz(スターバックスコーポレーション 会長兼社長兼最高経営責任者(CEO))凄く面白い。世界で見かけるスターバックスがかつて日本進出を遂げた時の話
クラウス・シュワブ Klaus Schwab(世界経済フォーラム 最高経営責任者(CEO))
エアン・ショー Heang Chhor(マッキンゼー・アンド・カンパニー 日本支社長)
鈴木エドワード Edward Suzuki(建築家)
鈴木 栄 Sakae Suzuki(マッキンゼー・アンド・カンパニー パートナー)
関口和一 Waichi Sekiguchi(日本経済新聞社 産業部編集委員論説委員
ブライアン・ソーズバーグ Brian Salsberg(マッキンゼー・アンド・カンパニー パートナー)
孫 正義 Masayoshi Son(ソフトバンク 創設者・代表取締役社長著者)争った堀江氏についても温か目のコメント
ピーター・タスカ Peter Tasker(アーカス・インベストメント 創業パートナー)
田中 均 Hitoshi Tanaka(東京大学公共政策大学院 客員教授、財団法人日本国際交流センター シニア・フェロー)
ジョン・ダワー John W. Dower(マサチューセッツ工科大学(MIT) 名誉教授)
ジョン・チェンバース John Chambers(シスコシステムズ 会長兼最高経営責任者(CEO))
ヘンリー・トリックス Henry Tricks(『エコノミスト』東京支局長)
南場智子 Tomoko Namba(ディー・エヌ・エーDeNA最高経営責任者(CEO))直線的、成長を取り込む力、突破力を感じる
ウルリヒ・ネーアー Ulrich Naeher(マッキンゼー・アンド・カンパニー シニアパートナー)
長谷川閑史 Yasuchika Hasegawa(武田薬品工業 代表取締役社長)面白い
ドミニク・バートン Dominic Barton(マッキンゼー・アンド・カンパニー 代表パートナー社長)
ボビー・バレンタイン Bobby Valentine(千葉ロッテマリーンズ 前監督、米国スポーツ専門テレビ局ESPN 野球解説者)
弘兼憲史 Kenshi Hirokane(漫画家)
グレン・S・フクシマ Glen S. Fukusima(エアバス・ジャパン 取締役会長、米国商工会所 元会頭)
藤原和博 Kazuhiro Fujihara(著述家)教育を変えたい!という若者が最近多いと感じる。この人の影響も?
船橋洋一 Yoichi Funabashi(朝日新聞社主筆
タイラー・ブリュレ Tyler Brule(『Monocle』編集長、『フィナンシャル・タイムズ』コラムニスト)
ポール・ブルースタイン Paul Blustein(ブルッキングス研究所 フェロー)
イアン・ブルマ Ian Buruma(作家)
デビッド・ヘンダーソン David Henderson(マッキンゼー・アンド・カンパニー コンサルタント
アダム・ポーゼン Adam S. Posen(ピーターソン国際経済研究所 シニア・フェロー)
ロバート・ホワイティング Robert Whiting(作家)
前田新造 Shinzo Maeda(資生堂 会長)
ボブ・マクドナルド Bob McDonald(プロクター・アンド・ギャンブル 代表取締役兼最(経営責任者(CEO))
ケビン・マシー Kevin Massy(ブルッキングス研究所 アシスタント・ディレクター)
森 稔 Minoru Mori(森ビル 代表取締役社長)
インゴ・ベイヤー フォン モルゲンスターン Igo Beyer von Morgenstern(マッキンゼー・アンド・カンパニー シニアパートナー)
柳井 正 Tadashi Yanai(ファーストリテイリング 代表取締役会長兼社長)タイトルが「若者よ、日本を出よ」。その言葉通り奨学金支援している
山田昌弘 Masahiro Yamada(中央大学文学部 教授)
フィリップ・ラドケ Philipp Radtke(マッキンゼー・アンド・カンパニー シニアパートナー)
トム・リード Tom R. Reid(『ワシントン・ポスト』元東京支局局長)
ピーター・レッシャー Peter Loscher(シーメンスAG 代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO))
ティーブン・ローチ Stephen S. Roach(モルガン・スタンレー・アジア 非常勤会長)
グウェン・ロビンソン Gwen Robinson(『フィナンシャル・タイムズ』(記者)